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「いいもの」つくり手紹介

(有)味楽園


「いいもの」認定以来、「まるでひとくちサイズの干し柿そのもの!」と好評を博しているのが、味楽園さんの「干し柿ゼリー」です。「いいもの」認定商品の中でも販売数が桁違いに多い、1番のヒット商品。食品の企画・販売を手掛ける味楽園が、愛知県・豊橋市内の寒天ゼリーのメーカーに製造を委託してつくられています。

じつはこの商品、味楽園の取引先の一つである奈良県五條市で700年続く農家、王隠堂農園(「王隠堂」の名前の由来は南北朝時代、この地方に逃れた後醍醐天皇をかくまったことが由来とか。歴史を感じさせますね!)でとれた規格外の柿をつかって、何かつくれないかという発想から誕生したもの。
「味は素晴らしくおいしくても市場では評価されない。そんな柿を、なんとか商品化できないだろうかと思いました。そこで以前から取引のあった寒天ゼリーメーカーの社長さんに、“無理なお願いかもしれないけど、この干し柿を使って新しい商品をつくれませんか”という相談を持ちかけたんです」と、商品の企画・開発を手がけた味楽園の大貫秀興さんは語ります。
意外と知られていませんが、愛知県・豊橋市近隣は寒天ゼリー発祥の地。明治時代から「翁飴」として柔らかな食感の飴が作られ、海外にまで売り出されていました。ゼリー製造業は、今でもこの地域の地場産業の一つとなっています。
「干し柿ゼリー」は、いわば味楽園のプロデュースのもと、二つの伝統の味・技が新しく出逢って生まれた商品。このあたりにヒットの理由が隠されているのかもしれません。
それでは「干し柿ゼリー」がどのようにしてつくられているかをご紹介しましょう。


干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
1.原材料は奈良県と和歌山県でとれた、平核無柿(ひらたねなしがき)を使用しています。大きさなどの理由で規格外とは言っても味も食感も一級品。これを熱湯につけて戻し、中に種がないか確かめるところからスタート。
2.1の干し柿に水を加えてミキサーにかけ、ペースト状にしたもの。
3.水あめとてんさい粉、寒天をとかしたものを混ぜ、水を加えながら攪拌していきます。ある程度煮つまってきてから干し柿のペーストを入れるのですが、これは柿そのものの香りや風味をのがさないようにするためだそうです。
4.3でできあがったものをステンレス製の容器に移し、2日間常温(20度〜25度)で寝かせます。
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
5.ピアノ線を張ったオリジナルの道具で、タテ、ヨコに切り取っていきます。1枚で6キロ、480粒(48袋)分です。カットも手作業なら、この道具も手づくり。工場の人たちが自分たちでピアノ線を張って作っているそうです。
6.これぞ熟練の技!オブラートにつつむ作業は人の手で行います。なんて鮮やかな手つき!身体でリズムをとりながら、みるみるうちに作業が進んでいきます。
7.このとき同時に異物の混入や変形がないかなど、品質チェックも行われています。
8.少しのズレもなく、キレイに並べられた商品。お見事としか言いようがありません。
干し柿ゼリー
干し柿ゼリー
9.55度〜60度に温められた乾燥室で15時間前後乾かして水分をコントロール。この作業により、保存料を使わなくても6カ月という日持ちが可能になります。
10.パッケージングの作業です。ここでも再び人の目で商品チェックを行います。

商品が完成するまでたっぷり5日。もっともびっくりしたのはオブラートに包む作業を一つひとつ手で行っていること、大変に手間ひまのかかる作業です。


個別包装になっているお菓子ですから、皆さん機械とベルトコンベヤーでできていくイメージをお持ちだと思います。でもうちはご自宅で寒天ゼリーをつくる場合のプロセスはそのままに、そこにプロならではの技術を加えた作り方をしています。
でも、手作業でやっているということを謳っていいものかどうかは正直言って迷っている部分があります。特に若い方には、直接素手で触れてつくっていると聞くと、衛生面に何か問題があるんじゃないかと思われる方が多い。手間ひまをかけていることをどう伝えるか、それが難しいと思います。
一般的な寒天ゼリーは、外部で加工した調味液が一斗缶で入ってきて、それを使って味や風味をつけます。ですから干し柿そのものを自社で加工して入れ込むには、やはり苦労がありました。上白糖ではなく、てんさい糖を使って水あめとの組み合わせで甘味を出すこと。干し柿の香りをしっかりと残すような熱の加え方。何度も試作を繰り返し、一つひとつ課題をクリアしていったのです。
「寒天ゼリー」という商品じたい手間がかかるものなので大手はやりたがらないのですが、うちは商品が完成するまでに寝かせたり、乾燥させたりという「待つ」時間を相当にかけています。だから注文を受けても5日後でないと出荷できない。それを小売店の方にも、買い手の方にも分かって欲しいと思います。
温度を下げれば寒天は固まるわけですし、保存料を入れれば乾燥させる必要もないわけですから、短い時間で同じ「形」のものはできますよ。でも、食品を扱う以上、手抜きをするつもりはありません。「ボタンを押せば出てくる」、そんな商品、つまらないじゃないですか。

 


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